21館ものミニシアター巡りで開けた新しい扉 ー ミヤザキタケルのミニシアターで会いましょうwith花柳のぞみ 2024.6.27
映画アドバイザー・ミヤザキタケルさんが、俳優・花柳のぞみさんと一緒に全国津々浦々のミニシアターを巡り、各劇場の魅力を届けてきた本連載。今回が最終回です。
読者の皆様には突然のお知らせになりますが、約2年間で21館ものミニシアターを巡ってきた本連載もいよいよ最終回です。
私たち、21館も巡ったんですね! 毎回新鮮な気持ちで臨んでいたから、積み重ねてきた感覚が薄いというか、「21」という数字に実感が湧きません。もっと少ないと思っていました。
この連載以前に通っていたミニシアターって結構あったんですか?
いえ、少なかったですね。家から近いエリアに行くことが多かったので、行ったことのないミニシアターに行くのは毎回すごく楽しかったです。ミヤザキさんみたいに、「ここのミニシアターでこれを観た」っていうエピソードトークができないのはちょっと悔しかったです……。
僕は元々通っていたところも多かったのですが、初めて伺うところもあって初心に帰れたというか、映画に目覚めた20代前半の頃に初めてミニシアターへ行った際のワクワクを思い出すことができました。特に印象に残っているミニシアターはありますか?
目黒シネマにBunkamuraル・シネマに下高井戸シネマにStrangerに……。
止まらないですね! 真っ先に出てきた目黒シネマは何が印象的でした?
やっぱり手作りのチラシ! 一つひとつ手作業で作られた愛のチラシにグッときました。
上映作品の手書きイラストや紹介が載っているやつですね。
そういうの大好きなんです私。労力がかかるのに何年も続けているのって並大抵のことじゃないし、映画に対する愛情はもちろん、お客様に対する愛情もすごく強いんだなって。
やっぱり各ミニシアターごとにそれぞれの色というか魅力がありましたよね。
取材後にプライベートでもいくつかのミニシアターに行ったんですよ。結構日が経っていたにも関わらず、スタッフの方が私のことを覚えていてくれてすごく嬉しかった。
そういった距離感というか、スタッフさんとお客様の間で自然と会話が生まれるのもミニシアターならではの光景であり良いところですよね。
その地域に根差していて、お客様とコミュニケーションを取ることを大切にしているっていうのはすごく魅力的だなと。
僕の中で大きな変化だったのが、この連載のお陰で劇場のフード類を注文するようになりました。今まで映画に集中できないと思って上映中の飲食は控えていたのですが、この連載で実際にフードを食べる機会が多くて、最近は普通にポップコーンとか買っています。良い意味で映画との向き合い方が軽くなりました。
WHITE CINE QUINTOの時、ビール飲んでるめっちゃいい顔の写真が撮れましたよね♪
そうそう、写真はすべて花柳さんがフィルムカメラで撮影してくれていたんですよね。良い写真ばかりでしたが、撮影のコツとかあるんですか?
毎回本当に心配で大丈夫かな? って感じだったんですけど、現像する瞬間がとてもワクワクするんです。後、シネコンと違って人と関わる部分が多いミニシアターのアナログな感じと、デジタルと違って現像するまでどんな風に撮れているか分からないフィルムカメラのアナログ感じが似ているなって。
確かに。そこまで意図してフィルムでお願いしていたわけじゃないですけど、結果的に良い組み合わせでしたね。
私も全然意図してなかったけど、今考えてみればっていう。
まだまだ全然話し足りませんが、最後に読者の皆さまへメッセージをお願いします。
今までありがとうございました。どれだけの方が読んでくださっていたか分からないですが、この連載をキッカケに「ミニシアターへ行ってみよう」と思ってくれた人がいたのなら、それほど嬉しいことはありません。後、私のかわいさと良さも知っていただけていたら嬉しいです♪(笑)
今後の目標は?
自分の主演作がミニシアターで上映されるよう頑張ります!
今まで訪れたミニシアターで舞台挨拶に登壇できたら良いですね。
それ一番良いですね! ミヤザキさんもメッセージお願いします。
もう花柳さんが言ってくれた通りなのですが、この連載がミニシアターに興味を持ったり、実際に足を運ぶキッカケになれていたのなら幸いです。配信主流の世の中で、年々ミニシアターも減っていく一方でもどかしいのですが、「映画館で映画を観る」という行為は唯一無二というか、そこでしか味わうことのできない“特別”なものになり得ると思います。そして、日頃シネコンしか行かないという人には、是非一度ミニシアターもお試しいただければなと思います。
そうですね、一度と言わず何度でも♪ 推しは推せる内に推さないとなくなってしまうので、ちょっとでも「行きたい」と思ったら行ってみるのが吉! 自分にとっての新しい扉が開くかも。
これで連載終わりますが、また別の形で何か届けられたら良いですね。
私とミヤザキさんコンビのこの楽しさ、紙面ではなかなか伝えられなかったと思うので、また何か一緒にやりたいですね。
とりあえずは花柳さんの主演作で、またミニシアターで会いましょう! その際は、司会とかトークゲスト僕やります!
それ良いですね! 私の主演作で、またミニシアターで会いましょう! その日までほんのちょっとだけお待ちください。
はなやぎのビビッとポイント!
ヒューマントラストシネマ渋谷のエスカレーター、下から撮ってみた写真!これお気に入りの写真なんです。冒険みたいでワクワクします♪
地味に続いていたお手洗いシリーズ。色々と見返してみたんですが、シモキタ - エキマエ - シネマ「K2」のお手洗いロゴが一番好きかも! 手書き風にキュンです……!
シネマネコでネコTシャツを着てネコのパンを食べるミヤザキさん。あざといってか意識高いってか何なんだ……と脱帽した一枚。笑
テアトル新宿のドリンクを飲む花柳。上映作品のオリジナルドリンクが作られるなんて、新しい映画鑑賞の楽しみ方を教えてもらいました♪
ミヤザキタケル
みやざきたける|映画アドバイザー
1986年、長野県生まれ。WOWOW・sweet・PHILE WEBでの連載の他、web・雑誌・ラジオで映画を紹介。イベント出演、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジェ」など幅広く活動。
花柳のぞみ
はなやぎのぞみ|俳優
1995年、秋田県出身。趣味は、カメラとおさんぽ。主な出演作に映画『人狼 デスゲームの運営人』メインキャスト・姫菜役、YouTubeドラマ、TOKYO MX「おじさんが私の恋を応援しています(脳内)」保田紘子役。現在、「NURO モバイル」web CMに出演中。
記事内写真 / 花柳のぞみ
文 / ミヤザキタケル
今回の記事を含む、ミニシアター限定配布のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」5月号についてはこちら。
DOKUSOマガジン5月号(vol.31)、5月5日発行!表紙・巻頭は福士蒼汰、センターインタビューは藤原季節×義山真司×林知亜季監督!
お近くに配布劇場が無いという方、バックナンバー購入ご希望の方は「DOKUSOマガジン定期購読のご案内」をご覧ください。
1986年、長野県生まれ。WOWOW・sweetでの連載の他、web・雑誌・ラジオで映画を紹介。イベント出演、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジェ」など幅広く活動。