片山萌美「その支えは確かなものなのか」ー 『怪物』

片山萌美

自身が出演している映画ということもあり、
なんとも言えぬ不安のなか、映画を観た。

いつも自分が出演する映画は
勝手にめちゃくちゃ緊張して観る。

でも『怪物』は、
なんだかものすごく
わくわくしたの。

『怪物』©2023「怪物」製作委員会

あらすじ
大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した─。

とにかく、
兎にも角にも、
観て欲しい。

これはもうね、
なんと言っていいのかわからない。
出演者の私でさえ
説明が難しい!!!

『怪物』©2023「怪物」製作委員会

私は最後の最後、
音楽が流れた瞬間に、
号泣してた。

大雨のシーンがあって、
その後の美しいシーンからの音楽。

なんで泣いてんのかわからない
って思いながら。

この人たち、生きてるなぁって。

全力で、誰かのために、自分のために。

『怪物』©2023「怪物」製作委員会

この映画、本当に感想が難しいんです。

ある意味、いろいろな視点からのオムニバスのような映画構成になっているので、
誰視点で自分は共感するのか、
それだけでこの映画の感想が変わりそう。

『バンテージ・ポイント』って映画があったけど
構成はそんな感じと少し似てる。
って、『バンテージ・ポイント』知ってる人のが少ない気がしてきた🤣笑

私は記者役だから、弱い立場の人に共感して台本を読んだ。

でもきっと、視聴してるみんなは途中から気づく。
なぜ、こんなに真実が捻れてしまったのか?
弱い立場って、実際は誰?

小学生たちのあのなんとも言えない教室の空気感と
まだ大人ではなく、でもいろいろな事がわかってくる(学んでいく)時に
それを支える親や教師、周りの友人がいるのか、
その支えは確かなものなのか。

『怪物』©2023「怪物」製作委員会

正義のためにやることが、
果たして本当に正義なのか。

人の内側なんてわからないのに、
雰囲気でわかった気になるときもある。

それが全て捻れてく。

感想を言い合いたい。
この映画を観て、
どう思うのか。
子どもを持つ親はどう思うのか。
教師は、記者は、噂好きの人は、子どもは?
みんなはどう感じるのだろう。

気になります。

『怪物』
監督・編集:是枝裕和
脚本:坂元裕二
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子
企画・プロデュース:川村元気、山田兼司
音楽:坂本龍一
配給 / 東宝、ギャガ
公開 / 全国公開中
©2023「怪物」製作委員会

片山萌美 女優

第44回「ミス日本ネイチャー」。グラビアで注目され、現在はTVドラマや舞台、映画と幅広く活躍中。

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