清原果耶「すごく優しい気持ちになれた」 『1秒先の彼』インタビュー

DOKUSOマガジン編集部

宮藤官九郎が脚本を担当し、山下敦弘が監督を務めた『1秒先の彼』。2020年に製作された台湾映画『1秒先の彼女』をリメイクしたラブストーリーで、周囲よりもワンテンポ早い男性・ハジメとワンテンポ遅い女性・レイカの“消えた1日”をめぐる物語を京都を舞台に描いている。岡田将生とともにダブル主演を務め、「いち役者として帯を締め直せた」と口にする清原果耶に、本作が持つ魅力の一端について語ってもらった。

めて手にした宮藤官九郎の脚本

──出演が決まった際の心境を教えてください。

清原「台湾のヒット作を日本でリメイクするということで、出演のオファーを頂いたときに作品の概要も一緒にいただきました。オリジナル版はすごくファンタジックでありながら、台湾ならではのあの質感に魅了されます。これを日本ならではの映画として再構築したら、どのようなものになるのか。純粋にとても楽しみでした。それから、山下監督の現場に参加できること、宮藤さんの作品に初めて役者として触れられること、数年ぶりに岡田さんと共演ができることもレイカを演じさせて頂きたいと思った理由だったので、いただいた台本を手がかりに、監督やキャスト、スタッフのみなさんと、現場で生まれるものを大事にできたらいいなと思っていました」

──「宮藤さんの魔法がかかったような脚本」とコメントされていましたが、宮藤官九郎さんの脚本を読んでみていかがでしたか?

清原「宮藤さんの脚本を読ませていただくのは今回が初めてだったので、宮藤さんらしさについて言及するのは恐縮なのですが、宮藤さんとご一緒したことがある岡田さんによると、ト書きが少ないらしいんです。台本の大部分がセリフで構成されていて、そこにある会話のテンポ感やリズム感、そして、何より一つひとつのセリフがとても魅力的だなと思います」

──たしかに本作は魅力的なセリフにあふれていますが、このセリフとセリフの間にある余白に魅せられる作品だという印象も受けました。

清原「そうなんです。レイカちゃんがあまり口数の多いキャラクターじゃないからこそ、彼女の持つ空気感を大事にしようと思っていました。だからどうしても現場で監督と話すときは抽象的な言葉が多くなってしまって(笑)。例えば、“ふわっと”とか、“柔らかく”みたいな。ただ、こういう微妙なニュアンスこそが、キャラクターや作品の世界観にとって大切なのかもしれないと感じていました」

──演じたレイカというキャラクターにどのような印象を抱きましたか?

清原「健気で応援したくなるような、とても愛らしい子だと思いました。自分の好きなものや好きな人というのが明確にある子なので、実際に演じてみて楽しかったです。一見、岡田さんが演じるハジメくんは変わり者に思えますが、実はレイカちゃんもけっこうな変わり者なんですよね。周囲よりもワンテンポ遅いおっとりとした性格に隠れているだけで、なかなかの個性の持ち主。そこがこの映画における彼女の魅力でもあるのかなと感じました」

──ハジメやレイカが生きている世界観こそがとても重要な作品だと思いますが、どのようにして役を掴んでいったのでしょうか?

清原「レイカの世界観をきちんと理解して演じることは確かにとても大切なのですが、レイカだけでは映画全体の世界観を作ることはできないので、私ができることは、まず演じる役の一番の理解者でいられるようにすることだと思っていました。あとは監督や、他のキャストの皆さんと共に育んでいけたらと。監督はきっとレイカの世界観を含めて、包んでくれるだろうという信頼と安心があったので。難しいことはあまり考えず、マイペースに取り組めたらと思っていました」

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清原果耶
きよはらかや|俳優
2002年1月30日生まれ、大阪府出身。2015年にNHK連続テレビ小説「あさが来た」で女優デビュー。2018年に主演を務めたドラマ「透明なゆりかご」(NHK総合)で「東京ドラマアウォード2019」主演女優賞など多くの賞を受賞。2021年に放送されたNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』ではヒロインを務めた。主な出演映画に『ちはやふる-結び-』『線は、僕を描く』、主演ドラマに「ファイトソング」(TBS系)「城塚翡翠」シリーズ(日本テレビ系)がある。

『1秒先の彼』
監督 / 山下敦弘
脚本 / 宮藤官九郎
出演 / 岡田将生、清原果耶、荒川良々、福室莉音、片山友希、加藤雅也、羽野晶紀、しみけん、笑福亭笑瓶、松本妃代、伊勢志摩、柊木陽太、加藤柚凪、朝井大智、山内圭哉
公開 / TOHOシネマズ日比谷ほか公開中
©2023『1秒先の彼』製作委員会

郵便局の窓口に勤めているハジメ(岡田将生)は、子供の頃から何をするにも1秒早く、一方レイカ(清原果耶)は1秒遅かった。ハジメは路上ミュージシャンの桜子(福室莉音)に恋に落ち、デートの約束をするが、起きると約束の翌日だった。失われた大事な1日の秘密を握るのはレイカのようで……。

撮影 / 西村満 取材・文 / 折田侑駿 スタイリスト / 井阪恵(dynamic) ヘアメイク / 面下伸一(FACCIA)
衣装 /シャツ:BAUM UND PFERDGARTEN、パンツ:BY MALENE BIRGER(共にS&T)、イヤリング:Jouete、バングル:CASUCA PLATA・CASUCA表参道本店

今回の記事を含む、ミニシアター限定配布のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」7月号についてはこちら。
DOKUSOマガジン7月号(vol.22)、7月5日発行!表紙・巻頭は清原果耶、センターインタビューは染谷俊之×吉田美月喜!

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