アジア映画に特化したミニシアター「シネマート新宿」を訪問! ー ミヤザキタケルのミニシアターで会いましょうwith花柳のぞみ

ミヤザキタケル
花柳のぞみ

映画アドバイザー・ミヤザキタケルさんが、俳優・花柳のぞみさんと一緒に全国津々浦々のミニシアターを巡り、各劇場の魅力や推しポイントをお届けします。目指すは全国のミニシアター制覇♪

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今回は、アジア映画に特化したミニシアター「シネマート新宿」にお伺いしました。

シネマート新宿14

10館もの映画館が隣接する映画激戦区・新宿。大手シネコンが4つ、個性豊かなミニシアターが6つもあり、多種多様な作品が上映されている。とりあえず新宿の街にさえ訪れてしまえば、あなたのお眼鏡にかなう作品にきっとめぐり逢えることだろう。そんな群雄割拠な状態にある新宿で、特定のジャンルに特化したスタイルで作品を上映する映画館がある。新宿三丁目駅B2出口より徒歩1分、韓国映画をはじめ、とりわけアジア映画に特化したミニシアター「シネマート新宿」である。

その始まりは、2006年12月。同年9月に閉館した「新宿文化シネマ」跡地にオープン。ビデオ販売に始まり、韓国映画の配給や、台湾・中国・香港など、アジア映画の買付事業を手がけてきた株式会社エスピーオーが運営する3つ目の映画館として産声を上げた。2000年代初期の韓流ブームや、近年のK-POP、『パラサイト 半地下の家族』などの大ヒットを受けて、今でこそ韓国のエンタメや文化に触れる機会は大いに増えたが、2006年当時は今ほど浸透していなかった時代。そんな中、エスピーオーだからこそなせる珠玉のラインナップを武器に、アジア映画のみならず、日本のインディーズ映画やアニメ映画、封切館での上映が終わった邦画や洋画など、幅広い作品が上映されている。そして、舞台挨拶などの上映イベントも盛んに開催されており、ウォン・カーウァイ監督5作品の4Kレストア上映における『花様年華 4K』上映時には、チャイナドレスやスーツを着る「正装鑑賞回」というユニークなイベントを実施。僕自身、偶然その回に足を運んでいたのだが、異様な盛り上がりを見せていたのを今でも覚えている。

シネマート新宿5

シネマート新宿9

シネマート新宿8

シネマート新宿4

新宿文化ビルの6・7階に2つのスクリーンを有するシネマート新宿。エレベーターで6階に降り立つとまず目に入るのが、数多の装飾が施された劇場ロビー。上映作品のスチールをはじめ、これまでシネマート新宿を彩ってきた上映作品のキャラクターなどがあしらわれたポップが随所に散りばめられており、目にするだけでワクワクできる空間作りがなされている。また、6・7階共にフライヤーの設置や座席が設けられており、上映前後の時間も持て余すことなく過ごせるはず。取材時には上映作品『バニシング・ポイント』の車を模した展示物が設置されていたのだが、こちらはなんとアルバイトスタッフが一か月かけて作成したもの! シネマート新宿では公式SNSアカウントのほかに、アルバイトスタッフによるSNSアカウントも存在し、展示物作成の裏側や、映画愛に満ち溢れた投稿が日夜投稿されているので、本アカと併せてチェックしてみていただきたい。

シネマート新宿1(スクリーン1)

シネマート新宿2(スクリーン2)

6階にあるスクリーン1は、333席もある大きな空間が売りの一つだが、2021年8月には「ブーストサウンド」を導入。通常のスピーカーとサブウーハーに加え、スクリーン前方・左右に4台増設されたサブウーハーが大迫力の重低音を出力。プロセッサーも最新機種のDOLBY社製CP950を導入し、より最適化された高解像度の音像を実現。コンサートホールやスタジアムなどで用いられるサブウーハーがもたらす臨場感を是非ご堪能いただきたい。打って変わって、7階にあるスクリーン2は、51席とアットホームな作りになっているのだが、作品の品質によってはこちらのスクリーンで観た方がしっくりくることもあるため、上手く使い分けたいところ。ちなみに、2022年には座席・スクリーン・サラウンドスピーカーが一新され、より快適な鑑賞環境へとリニューアルを遂げている。

シネマート新宿24

シネマート新宿25(「おうちでCinem@rt」リンク)

割引サービスも豊富で、毎週月曜は2人で2400円均一の「月曜ペアデイ」。毎週火曜・木曜はTCGカード提示で1100円となる「TCG会員サービスデイ」。毎週水曜日は誰でも1200円均一となる「水曜サービスデイ」。つまり、シネマート新宿は平日がお得! 仕事や学校終わりにフラっと立ち寄りやすい映画館なのである。また、2021年3月には都度課金制の動画配信サービス「おうちでCinem@rt」がスタート。担当の小澤さんに話を伺うと、コロナ禍で映画館へ足を運べない方に、お家で映画館を体験して欲しいという想いから始まった企画とのこと。エスピーオー所縁のアジア映画が多数ラインアップされており、大手サブスクでは観ることのできない作品が目白押し。「おうちでCinem@rt」の配信作品を紹介するYouTubeアカウントもあるので、観る作品にお悩みの方はコチラをチェック!

その空間作りをはじめ、良心的な価格設定、映画と触れ合うきっかけ作りに精を出す姿勢など、映画に対する熱い情熱を感じさせてくれるシネマート新宿。日頃アジア映画をあまり観ないという方はもちろん、都内にお住まいの方も、他県にお住まいの方も、東京へお越しの際は、是非一度シネマート新宿へ足を運んでみてください。それでは、次のミニシアターでまたお会いしましょう♪

花柳のぞみ

ここからは、花柳のぞみが「シネマート新宿」の見逃せないところをご紹介します。題して「はなやぎのビビッとポイント!」

シネマート新宿7

1. 「アジア映画といえばシネマート新宿」と言われるだけあり、他の映画館では見られないアジア映画のフライヤーたちが。上映前の待ち時間がよりワクワクした時間に!

シネマート新宿11

2. くっ、癖が強いんじゃあ! かなり強そうなお手洗いマークです。行った先に何が待ち受けているのか……!?

シネマート新宿20

3. 「BAR映画館」ですって! かわいい〜。いろんな種類のフォントが並んでいるところが、個人的にキュンポイントです♪

シネマート新宿6

4. 思わずニヤけてしまうPOP(笑)。館内には工夫が凝らされたPOPがたくさん!! 隠れミッキーのような感覚で、ぜひ探してみてください♪

ミヤザキタケル

花柳さん、ありがとうございます! 「シネマート新宿」にはまだまだ魅力的なところがたくさんあるので、ぜひみなさんも探してみてくださいね。次回はどんなミニシアターにお会いできるでしょうか。ぜひお楽しみに♪

ミヤザキタケル
みやざきたける|映画アドバイザー
1986年、長野県生まれ。WOWOW・sweet・PHILE WEBでの連載の他、web・雑誌・ラジオで映画を紹介。イベント出演、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジェ」など幅広く活動。

花柳のぞみ
はなやぎのぞみ|俳優
1995年、秋田県出身。趣味は、カメラとおさんぽ。主な出演作に映画『人狼 デスゲームの運営人』メインキャスト・姫菜役、YouTubeドラマ、TOKYO MX「おじさんが私の恋を応援しています(脳内)」保田紘子役。現在、「NURO モバイル」web CMに出演中。

記事内写真 / 花柳のぞみ
文 / ミヤザキタケル

今回の記事を含む、ミニシアター限定配布のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」5月号についてはこちら。
DOKUSOマガジン5月号(vol.20)、5月5日発行!表紙・巻頭は宮沢氷魚、センターインタビューは本宮泰風×伊藤健太郎!

お近くに配布劇場が無いという方、バックナンバー購入ご希望の方は「DOKUSOマガジン定期購読のご案内」をご覧ください。

ミヤザキ タケル 映画アドバイザー

1986年、長野県生まれ。WOWOW・sweetでの連載の他、web・雑誌・ラジオで映画を紹介。イベント出演、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジェ」など幅広く活動。

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