【最終回】高柳明音「自分の行動力を再確認できる映画だと思います」『LIFE!/ライフ』 2022.9.8
高柳明音さんが、シネマスコーレ副支配人の坪井篤史さんを師匠にお迎えし、映画マスターを目指します。第12回は、ベン・スティラー監督・主演のヒューマンドラマ『LIFE!/ライフ』です。
『LIFE!/ライフ』
ディズニープラスの「スター」で配信中
©2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
あらすじ
地下鉄に乗って雑誌「LIFE」の写真管理部に通勤しているウォルターは、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返している。彼の唯一の趣味は、虚しい現実から逃避して突飛な空想に浸ること。ある日、ライフ誌最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気づいた彼は、一大決心をしてカメラマンを探す旅に出発する。そのありえないほど波瀾万丈の冒険の道のりは、彼の人生を一変させていくのだった……。
今回はヒューマンドラマの名作『LIFE!/ライフ』を観ていただきました。ベン・スティラー演じる本作の主人公・ウォルターは雑誌社で働く平凡な男性。現実逃避の空想に浸りながら日々を送っています。しかし一枚のネガをきっかけに彼の人生が大きく動き出していく物語です。ご覧になってみていかがでしたか?
ネガを探すだけのはずが、どんどん壮大な旅になっていく展開が面白かったです。ウォルターは引っ込み思案というか、臆病というか、本当はなりたい自分像があるんだけど、空想することしかできないですよね。それが少しずつ変わっていくところにワクワクしました。そして物語が進むにつれてウォルターの空想が減っていく。ああ、なりたい自分に近づいているんだなって嬉しくて、最後は人が変わったように、性格も表情もたくましくなっていくところは本当に素敵でした。
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まさかの展開ですよね。ウォルターが一歩を踏み出せたのはヒロインであるシェリルの存在が大きいですが、高柳さんから見てシェリルの魅力的なところはどこだと思いますか?
ポジティブでフレンドリーで魅力的。シングルマザーであるけれど苦労を感じさせない。ウォルターじゃなくても惹かれるところはたくさんありますよね。中にはウォルターの空想も混ざっていると思いますけど。(笑)
高柳さんとシェリルに共通するところはありますか? もしウォルターと同じ職場だったらどうでしょうか?
私はシェリルのようにサバサバしてないですし、ぜんぜん違うタイプです。なのでウォルターの空想に登場することはないでしょうね。むしろ私はウォルターの方が近いと思います。人と接することが上手じゃなかったり、考えていることをすぐ口に出せないですし…。何かが起きたあとで、あのときこう言えばよかったなあって空想して自分を落ち着かせるタイプです。そして何より中盤以降の一人で行動するウォルターにはとても共感しました。
そうなんですね!意外でした。中盤以降のウォルターの行動力には本当に驚かされますよね。僕もいつかはあんな旅をしてみたいと思いつつも、いざ行動に移すのはとても難しいかと。高柳さんは一人旅でも平気ですか?
私は一人でも平気で、どこにでも行けます。人生一回きりだから、見たことないものをできるだけ見て、やったことないことに挑戦して、自分のしたいことに正直でいたいと思ってます。北海道に行きたいと思って翌日すぐに行ったこともありますし、スキューバーダイビングの免許が欲しくてお休みをもらって取りに行ったこともあります。人生の経験値を積んで、死ぬときに楽しかったな〜って言いたい。(笑)
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まさに本作が描いていることに共通していますね!ウォルターに近いと言われたことにも納得です。高柳さんの行動力の高さは、グループ時代の経験から来ているのではないかと思いました。多くの人が一生で経験することを、あの十数年で得ていると言いますか、いい意味で満足しない。本当に素敵だと思います。大きな達成感を知っているからこそ、もっといろんなことに挑戦したいと思えるのではないかと。
終わりが「死」しかないですから、それまでは楽しむ。(笑) ゲームで言うと自分のレベルを一つでも上げたいみたいな。
もし失敗したとしても、そのマイナスの経験を積み重ねていくイメージですね。ちなみに次は何に挑戦したいですか?
海外留学がしたいです! 言葉のわからないところに飛び込んで、自分の視野を広げたいなって。
やっぱりウォルターと似ていますね。言語を学んでからではなくて、行ってから考える。
やりたいことって、自分が行動してできることと、タイミングとご縁に恵まれないとできないことがあると思います。例えば朝ドラに出たいとかは、自分の意思だけでは叶わないですが、海外に行くのは自分の意思次第の部分が大きい。だから可能なかぎり挑戦したいと思います。
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今回『LIFE!/ライフ』にして本当に良かったです。この対談をきっかけに、ぜひ映画を観ていただいて、多くの方に人生を楽しんでもらえたら嬉しいですね。
はい!自分の行動力を再確認できる映画だと思います。なので行動力のある方はすごく共感できると思いますし、もっと行動力を上げたいと思っている人は勇気がもらえるはずです。
「高柳明音、映画マスターへの道【師範:坪井篤史】」は今回を持ちまして最終回となります。一年間、ご愛読いただき誠にありがとうございました。
今回の記事を含む、ミニシアター限定のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」9月号についてはこちら。
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1991年生まれ、愛知県出身。2009年にSKE48の2期生メンバーとしてデビュー。21年4月にグループを卒業し、現在は女優・タレントとして舞台、バラエティ、ラジオなど幅広く活躍中。