2020年 人気映画ランキング DOKUSO映画館で今年最も見られた映画ベスト20 2020.12.25
2020年、あえて書くまでもありませんが、新型コロナウイルスの影響で生活がガラリと変化した一年でした。
映画業界においても、新作映画の公開延期、撮影延期など様々な影響がありましたね。今年はお家で映画を楽しまれた方も多いと思います。
さて、そんな一年においてDOKUSO映画館ではどんな映画が好まれたのでしょうか?
年末特別企画として、1位から10位までをランキング形式でご紹介します。(※現在配信中の作品のみ。終了作品は除外しております。)
第1位『花に嵐』
大学の映画サークルでカメラを手にした“僕”が出会う映画の世界と一人の女の子。ジャンルの垣根を超え、多くの映画祭を席巻したPFF2016準グランプリ作。
2020年、最も見られた作品は『花に嵐』でした! 月間ランキング1位に何度も輝いた本作。誰もが納得の一本と言えるでしょう。
モキュメンタリー(ドキュメンタリー映像のような表現手法)で撮られた本作は、まるで映画の世界に自分がいるかのような錯覚に陥ります。本作をきっかけにモキュメンタリー作品にハマった方は多いのではないでしょうか?
また、手法だけでなく物語の展開も見事。ドキュメント?サスペンス?ホラー?と多くの要素が詰め込まれた傑作です。
あと、出てくる女の子がみんなかわいいです。
たまい支配人のコメント 最後の終わり方といい、手持ちカメラでずっときたところでのアレとか、非常に監督の野心が見える快作。ぴあフィルムフェスティバルの審査員の方々に向けて、フルスイングで挑みかかってきている感じが、本当に好き。
スタッフKのコメント 夢想家が考えるようなことを、めっちゃリアルなモキュメンタリーで表現し切ってしまうセンスの塊に、電気椅子に座っているのかと思うくらい、しびれる。この映画はキング!!
監督の岩切一空監督の対談記事も合わせてお楽しみください。
【対談】水石亜飛夢×岩切一空監督 ー 実は男の役者が苦手です
第2位『オーファンズ・ブルース』
ロードムービーがお好きな方はもちろん、ロードムービーってどういう映画?という方にもオススメの作品。
知らない人の人生に途中から絡んでしまった、巻き込まれたような気持ちになれます。まるで永遠に続きそうな夏、何かが起きているんだけど、何も起きないような、このまま終わるのかなと思ったタイミングで「ああっ…!」と。
真夏に見ると最高ですが、冬に見ても夏に思いを馳せることができるので、結局のところ、いつ見ても最高です。
スタッフ仲田のコメント PFFアワード2018グランプリ受賞作品。主役の村上由規乃さんの存在感と生々しさが、ロケーションと絶妙にあいまってる。なんて言いつつ、ラッキーストライクを吸う女性が好きなだけなのかもしれない。
スタッフKのコメント 独特の質感。ジメジメしているのに全然不快じゃない、むしろ穏やかに感じてしまう。押し寄せてくる感情の波に身を任せ、行き着いた先でぷかぷかと漂っている深海魚になったような気分です。
第3位『ラスト リモート ショー』
3位の『ラスト リモート ショー』は、まさにコロナ禍だからこその一本です。新しい生活様式が生まれ、リモートワーク(テレワーク)をはじめ、レッスン系も飲み会も、そしてイベントもオンラインでの開催が珍しくない、もはや当たり前の現在。
会えないのはさみしいけれど、オンラインにはオンラインの良さがあるなぁ…と感じることもありますよね。そんなときに「はい、明日からぜんぶ戻ります!」となったらどうしますか?
とあるオンラインマッチングサービス終了直前の10分間で起きた、人々の葛藤と行動を描いた作品です。
たまい支配人のコメント 誰も家から出れないということが、嬉しい人もいる。直接会えないからこそ、つける嘘がある。繊細な言葉えらびと、細かな感情の機微に注目。
スタッフKのコメント この映画を見ているときだけは、はやくマスクせずに外歩きたいな〜なんてことは考えない。画面越しだけのやりとりでも、対面で会ったときと同じくらい大切なものを作り出せる。その可能性を知ってこそ、一年前までは当たり前だったやり方を真に尊重できる気がする。
第4位『THE ESCAPE』
4位は『THE ESCAPE』。ニートな生活から抜け出したいと思いつつも、ダラダラと過ごしていたらヤバい人に絡まれて…。
いつかは変わる、変わりたいと思っていた男に、望んでいない急激な変化が訪れる。本人の意志とは裏腹に、変わるしかなかった主人公の物語。怖いけど、最後まで見ちゃう。誰の身に起きてもおかしくない話…。
第5位『30days』
たまい支配人のコメント 中学生みたいなノリの実験映画かと思いきや、30日を追っているあいだに主人公の焦りや苦悩がひしひし伝わってくる。
スタッフKのコメント 禁欲すごい。と浅はかにも思っていたけど、この映画をみて学んだ。禁欲は手段に過ぎず、目的である「変わりたい」という気持ちが何かを生みだすのだということ。もうひとつ、他者をどんどん巻き込むのが大きな目的を成し遂げるコツだということ!
第6位『雨のやむとき』
家庭に問題を抱え、居場所を見出せない中学生の男女。大人の事情に振り回されながらも懸命に生きる孤独な二人の心模様を描いたPFF2019準グランプリ作。
スタッフ仲田のコメント 主役のふたりはとても自然体な演技で透明感満載。少年少女時代の家族の悩みってみんなあるんじゃないかなと。それはドラマにも漫画にもならないような些細なことなのかもしれないけど。そんなことを感じさせてくれた1本。
第7位『ピクルドパンク』
連続殺人犯の精神世界を緻密に描き、世界各国の映画祭を震撼させた戦慄のロードムービー。
たまい支配人のコメント この作品が見られるDOKUSOってスゴイ!笑 連続殺人犯の頭の中に放り込まれる問題作!
スタッフKのコメント この映画がランキングに入って本当に胸がいっぱい…!!ありがとう!
第8位『青空になる』
LGBT、肌の色、出自といった周囲との違いから悩みを抱えている若者達が奮闘する物語。社会の中で何らかの形で生きづらさを抱える葛藤を描く。
スタッフKのコメント バンドや祭り、一見キラキラした普通の青春映画だけど、これは普通と違う若者たちの物語。見終わって痛感する。これはまさに、新世代を迎えた私たちの青春ムービーだった!
寺本勇也監督にウラ話をお聞きしています。合わせてお楽しみください。
青春映画…じゃない!? LGBTに向き合う映画『青空になる』のウラ話を監督に聞いてきた
第9位『moondust』
スタッフKのコメント キラキラしているのは間違いないが、その光は未知の星ではなく、私たちがいつも見上げている月。女の子が憧れるお姫さまとは少し違うけど、私たちにとてもよく似ていて、でもやっぱり不思議な存在。それは恋をしたときの気持ちにもちょっと似ている。
第10位『赤色彗星倶楽部』
武井佑吏監督長編デビュー作。赤色彗星の到来で彗星核を作ろうと画策する天文学部員たちのむせ返るような日々を刹那的に描く青春SFドラマ。
スタッフKのコメント 物語は葛藤でできている。他人の葛藤は自分の中に入ってくるたびに変化していくもので、私はこの映画で描かれている葛藤をこの先何度も見て、その変化を実感したいと思いました。
以上の10作品となります!
10本すべてを見られていた方、「MASTER OF DOKUSO 2020」の称号を差し上げます。まだ見られていない作品がある方、年末年始のお楽しみができましたね。ぜひご覧いただけたらうれしいです。
最後に、惜しくもベスト10入りを逃した作品を20位まで発表して終わりとさせていただきます。
11位『後妻業の悪女 幸せ芝居』
12位『花浴』
13位『ネット探偵 vs おっさんVTuber』
14位『春の夢』
15位『Opus posthumous』
16位『Starting Over』
17位『血を吸う宇宙』
18位『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』
19位『リベンジ!』
20位『そんなこと考えるの馬鹿』
本年もDOKUSO映画館をご利用いただき、誠にありがとうございました!
2021年もさらに進化してまいります。ぜひぜひよろしくお願いいたします!
©2017 岩切一空/SPOTED PRODUCTIONS ©工藤梨穂 ©2020テラスサイド ©島村拓也 ©山口優衣 ©2020映画「青空になる」製作委員会 ©2019「moondust」製作委員会 ©武井佑吏
DOKUSO映画館の劇場支配人。たまに映画プロデューサー。今年こそ、映画と読書と仕事以外の趣味をつくりたい。