何になりたい?どこを目指す?自分の探しの参考に。映画『からっぽ』 2020.12.18
こんにちは! 柊太朗です!
あれからまたDOKUSO映画館で映画を沢山拝見させていただきました。
(前回の記事はこちら)
前回はサスペンスから選びましたが、今回はごはんのイメージがパッと浮かんだものから選びました!
今回僕が選んだ作品は野村奈央監督の『からっぽ』です。
©野村奈央
いやぁ、良かった。本当に良かったです。聞き覚えがある方がいてくれたら嬉しいですが多分この言葉は毎回出てくると思います。笑
打越梨子さん演じる「渡良瀬まち」がとにかくすごかった。
ミステリアスで少し妖艶な演技に飲み込まれました。
まちは、四六時中いくつものアルバイトを掛け持ちでこなす「完璧フリーター」。だけど、自分は何になりたいのか、どこを目指しているのかがわからない”からっぽ”の状態。そんな時、画家の由人に出会う。
彼が描いた、まちの肖像画によって自分の”からっぽ”さを痛感して肯定したり、否定したり…。ついにはアルバイトに身が入らなくなってしまい、そこから生活がガラッと変わっていく。
パッと書いてもこんな感じです。情報量が多いですよね。
百聞は一見にしかずと言いますか、この作品は見てもらった方が早い!
たぶん人それぞれ感じることが違うような気がします。自分に照らし合わせたり、親しい誰かに重ねてみたり、最後の解釈も違ってくると思います。なので、いろんな人に見て欲しいと思う作品でした。
できるだけネタバレせずに、シーンごとに感じたことを書いていきます。
まずは序盤。まちのバイト生活。バイトの数はなんと週15回!
それぞれのバイト先に合わせて、違う性格で、違う表情を用意しているんですが、パッパッパと移り変わるように曲に乗せているところが印象的でした。
また、バイトに出てくる周辺人物のクセが強い! だからこそよりまちの器用さが引き立っていました。普通の映画ではあまり見ない、音楽に乗せて分かりやすく、そして少し不気味な感じがまちの心の感情を表していました。
カワチカツアキさん演じる由人がとても印象的でした。一言目で、由人は自分の世界観を持っている、少し変わっているけれど我が通っている役なんだなと感じました。それくらいカワチカツアキさんの演技は絶品です。
主人公の心を映すガレージ
まちがつかっているガレージには、アルバイトの衣装や、化粧道具がびっしりと入っています。まるでまちの心を映しているかのよう。でも、由人を含め、さまざまな出会いによって、最初は満タンだったガレージも、どんどんからっぽになっていく…。
満タンのガレージこそがまちだったのか、それともどんどん少なくなっていくことがまちの成長なのか。最後にどんな姿になっていくのか、ぜひ注目してください。
注目と言えば、由人がまちに言うセリフも聞き逃がせません。
「自分が作った偽物かな。そうやって見誤りたくないな」
作中に登場する「かものはしアニメはっしー」のズバッとくるセリフも相まって、まちが今、本当に路頭に迷っている感じがとても伝わってきます。まちがどんな心情の時にこのセリフを言われたのか、そこも気にするとより面白く見れるんじゃないんでしょうか?
僕自身も自分がどういう人間で、どんな強みがあるか、まだまだわかっていないところがたくさんあります。まちのような自分の探し方もいいのかなー?と思いますが、とても週15のアルバイトは無理です。並の精神力じゃできない気がしました笑笑
そう考えるとまちってすごいんだなぁ。なんて思ったり。とにかく自分と重ねて考えることが多い映画でした。みなさんの考えや解釈もお聞きしたいですね。
『からっぽ』にぴったりのごはんは…
さてさて!本日もお料理の時間です!
この作品を見終わった瞬間に、料理がパッと浮かんできました。それはこちら!
ででん!
名付けて「多色丼」です!!!
いろんな顔を持ち、週に15のアルバイトをこなすまちから連想して15色!といきたかったところですが、皿の容量的にむりだー。と思いまして…半分の7食丼を作ってみました!
鶏そぼろ、蓮根のきんぴら、ラムのチャプチェ、味卵、コーンのバター炒め、枝豆のガーリック炒め、もやしのナムル、以上7点です。
いやあ、非常に時間がかかりました笑笑
なんと言っても、7つ分の下ごしらえに手こずりました。僕のおうちはコンロが1つなので入れ替わり立ち替わりで食材たちが炒められていきます。かかった時間はなんと2時間…
まちはもっとすごい肉体労働をしていたのか、しかも倍の数。
まちの凄さを改めて実感しました。
そんなこんなで盛り付けて完成!盛り付けはうまくいきました!
ではでは、実食。いただきます!
うん。ばっちり!全部いい感じの味付けでご飯に合うー! あ、ちなみにご飯は全ての具材と合うように麺つゆベースの混ぜご飯になってます! これがまた美味い! 作り方は麺つゆ少々塩少々入り胡麻を少々で出来上がり!
味玉は煮込みすぎたー!
少し塩辛くなってしまいました。
でもご飯と食べれば完璧。うん、我ながらいい出来だった。
まちの凄さを痛感しながらしみじみと完食。
映画もごはんも、ごちそうさまでした。
©野村奈央
取り柄のない平凡な私という存在の耐え難いやるせなさ
2000年10月27日北海道生まれ。恋愛リアリティ番組に出演し同世代から人気を博す。小説と映画が大好きで、特にサスペンスとヒューマンドラマ系が好物。