新しい日々の始まり。『シング・ストリート 未来へのうた』 2020.11.25
この連載を始めるにあたって
僕にとって映画は、今日を活かす為のものであり、感性を研ぎ澄ますものだ。
何も考えず過ごしてしまったら見逃してしまうようなことが、映画の世界ではひとつひとつ細かく表現され、心打たれてしまう。
2020年という激動の年を経て、僕は今一度、日々の大切さ、そして自分にとって「表現」というものがいかに大きい存在であるかを実感した。
僕の仕事は音楽活動や俳優といった、エンターテイメント。
つまり観る人にとっての「娯楽」だ。
これは明日への活力となり、生活の質をあげるという点においてとても大きな力を持っていると思っている。だが今年のような、「安定した生活」というものも危うくなった時、娯楽は見向きもされなくなり、僕は存在意義を失ったようなショックを受けた。
そんな中僕は、今年から歌、ダンス、芝居の他に「言葉」という表現方法を見出した。
これからこの場所をお借りして、皆さんの日常を彩るような映画を、僕の「日常」を記しながら紹介していこうと思う。
今回紹介する映画は、2016年に公開された『シング・ストリート 未来へのうた』。
©2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved
家族のトラブルによって転校を余儀なくされた主人公コナー。謎の美女に恋をした冴えない彼は、彼女をMVに出演させるため、バンドを結成することを決意する。
高校生の持つ、己の未熟さと多感さに苦しみながらも、前に進み続けるコナーと様々なトラブルを抱える個性豊かな登場人物たちが魅力的な青春音楽映画だ。
音楽の力
この作品内の楽曲には、コナー達の成長が記録されているように思える。
校内での不当な扱いや恋心。それらを等身大でありながら、詩的な言葉に換えて歌う彼はもう冴えない高校生ではなかった。
僕自身、M!LKというボーカルダンスユニットで活動をしているのだが、音楽の持つ力には、何度も助けられている。
悩んだ時、落ち込んだ時...どんな時も音楽を聞けば「もう少し、やってみるか」となるし、もうどんなものも受け付けない!という心情でも、音楽は隙間を縫って癒してくれる。
だからこの作品もダイレクトに響くのだろう。
兄・ブレンダンという男
この映画のキーは「進む者」と「支える者」の存在だと僕は思う。
ブレンダンは音楽をこよなく愛しており、コナー達の作る音楽にアドバイスを送り見守るコナーの兄。
そんな音楽に生きる彼が、なぜ音楽をただ聞くだけなのか。
僕はブレンダンという男の不器用な生き方にとても胸を打たれた。
ラストのシーンは何度見ても感動してしまう。
何かを成し遂げたいと思っている人。
大きな壁を前に行き詰まっている人。
自分の進む道を一生懸命に進んでいる全員に見てほしい、
勇気と元気を与えてくれる大きな力が宿っている作品だと僕は思う。
そして、その道の傍らには、自分を支えてくれた家族、友人の存在があることを改めて実感し、感謝の心を忘れないでほしいと思う。
...と、ここまで書いてみたが。
こんな感じでいいのだろうか!?
映画は大好きだが、いざ書くとなるとまた違う!!
20歳の若造が何をと思うかもしれませんが、
自分なりに頑張って作品の魅力を紹介して行きますので、どうか優しい目で見守ってください!!
吉田仁人
©2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved