片山萌美「お互いを“人”として“好き”になっていく素敵な物語」ー 『グリーンブック』

片山萌美

撮影/萩原大志

『グリーンブック』、めっちゃくちゃ好きな映画なのだけど
うまく文章にならない。
どうしたものか。笑

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『グリーンブック』あらすじ
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。

なんでかなって考えてたんだけど、
たぶん、好きの部分と、
考えさせられる部分とがたくさんありすぎるからかもと思ったの!

だからまずは冷静に好きな部分から。

シャーリーとトニーは根本の性格や育ち方が違うから、
分かり合えない部分が最初は目立ってしまうんだけど、
徐々にお互いのことを理解しようとしていくことで友情が生まれていくの。

お互いが変わった!!って、
はっきりとしたきっかけがあるわけではないけど、
数ヶ月も一緒に生活をしていくと、
いいところも悪いところも見えて、
お互いを“人”として“好き”になっていくのがわかるのが素敵なんだ。

やっぱり好きなシーンは
ケンタッキー州でケンタッキーを車内で食べるシーン!
トニーに言われ、イヤイヤながら手でケンタッキーを食べるシャーリーの戸惑う姿がかわいいし、
骨を窓から捨てるのも、すごく楽しそう。
いま友情が芽生えた!って感じがする。
そのあと、ジュースのゴミも窓から捨てるのをシャーリーが注意するのも含めて最高。


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他にもトニーが家族に向けてお手紙を書くんだけど、とにかく紙ぎっしりに書く。
おしゃれな文ではないけど、その文字の多さから愛情が伝わってくるし、
シャーリーがお酒を飲んでいる、とか日々の出来事を素直に書くトニーが可愛すぎる。となっちゃう。

シャーリーのピアノが指定したものでなかったところで、
話の通じない差別的な相手にトニーが怒り、
殴ってピアノを用意させるシーンも見応えがあるんだけど、
そのあとのシーンでシャーリーがピアノをトニーが満足そうに聴いている表情も好きだし、
殴られた人がシュンってしてるのも笑っちゃう。

シャーリーがトニーの家に招かれ、
最初は緊張した表情なんだけど、
奥さんに「お手紙ありがとう」と言われて最高の笑顔になるのが好き。
シャーリーの笑顔って癒される、なんなんだろうか。

好きなシーンだけでだいぶ長いな...

私、根が真面目なんで、
色々考えさせてくれるところもこの映画の良いところだと思ってる。
正直、この話が実話ベースというのが驚きだったし、
何より“グリーンブック”という、
黒人が利用できる施設をかいた旅行ガイドブックがあったことさえ知らなかった。
ちなみにグリーンブックは、
1936年から1966年まで出版されていたんですって。
そんなに昔のことでないのがまた衝撃。


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シャーリーは黒人ではありながら、
トップピアニストなので、品があり、要は上流階級の人間。
なのに黒人というだけで、トイレは別にされたり、
レストランでご飯を食べさせてもらえない。
車はVIP専用に停めるのに、彼の控え室は物置。
このなんとも意味のわからない、でもずっと続く黒人差別をナチュラルに受け続けている。
そう、黒人差別はこの時代の“当たり前”のことだった。
違和感ではなく、それが普通。
なんとも、気持ちが悪い。

シャーリーは黒人でありながら、黒人にもなりきれず、白人にもなれない、孤独と戦い続けていて…。

トニーもナチュラルに差別をしていた。
きっと、自分でもそこまでの意識はしていないんだと思う。
途中で「俺はお前(シャーリー)より黒人だ!」ってセリフがあるけど、
なんだか言いたくなる気持ちはわかる。
ただ、やはり、あまりにも普通に差別がある世界だから、
やはり本当に差別されなければ、それはわからないんだと思う。

そういう、なんというか、
なんとなく、認識の無さゆえに“差別”してしまっていることって
人間誰しもあるのかもなって。

例えば上流階級だから好き、とかではなく、
その人が好きとなるように、
そしてそう言ってもらえる人間になりたいなーって思うよね。

なんか、こういう映画を観て、
今一度、差別について、考えるのもいいよね。

しかもさ、差別が描かれているのに、
とても素敵な映画だから、
いい意味で気負わず観られる。
誰かと観るのもおすすめ!


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あとさー!!!
これ本当にびっくりしたんだけど!!!
トニー役の役者さんがね!!!!
ヴィゴ・モーテンセンなの!!!!!!
『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役でね!!
もうね、イケメン!誠実!長髪!
ってイメージだったからなのか、
まっっったく気づかなくて!!!!!
私、結構、顔見たらわかるタイプなんだけど!!!?
気づかなかった自分に悔しすぎた!笑
みなさんは気づいた?!?!
気になりますー!

しらせ

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仕様:B4 カラー/モノクロ80P
撮影:ティム・ギャロ
製作:株式会社ウイントアーツ

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片山萌美 女優

第44回「ミス日本ネイチャー」。グラビアで注目され、現在はTVドラマや舞台、映画と幅広く活躍中。

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