片山萌美「感想が効果音や擬音ばかりになるほど魅了される映画」ー『ムーラン・ルージュ』 2022.11.2
あっという間に寒くなってきたこの頃。
紅葉を観ると、つい思い出す映画が、
『ムーラン・ルージュ』
いや!なんでだよ!って思う人もいるだろうけど
映画の色彩がね、
なんだか激しすぎる紅葉のような色使いなのよ!!
あらすじ
世紀末のパリ。大人気を誇るキャバレー「ムーラン・ルージュ」のスターで高級娼婦サティーンと、貧乏作家のクリスチャンは激しい恋に落ちる。ショーへの出資の見返りに、サティーンを我がものにしようとする公爵に隠れて、危険な関係を続ける二人だったが、思いもかけない悲劇が起こる…。
ムーラン・ルージュを観た時の衝撃はすごくってさぁ、
道をぐわぁっと写したり、
目がチカチカするくらいの色使いとカット数、
少しぞわっとする不気味さ。
とにかく前半、
煌びやかで美しくも面白いシーンが満載で、
映画の中に一気に引き込まれる。
©2001 TWENTIETH CENTURY FOX
バズ・ラーマン監督の映像技法って言葉にするのがとっても難しいんだけど、
とにかく不思議で、
早送り巻き戻しで、
シュルルルルルってしたり、
画面が目まぐるしく変わって、
ぐわんぐわんしたり、
シャカシャカしたら、ぐわああってなって、
キラキラキラ〜のシャララリリリで、
...効果音でしか表現できないわ。
その映像美でクリスチャン(ユアン・マクレガー)がムーラン・ルージュの世界に巻き込まれてる感じを観てるこちらにも共鳴させられて、
目がまわる。笑
楽しいラブストーリーがずっと展開されていってほしいのに、
後半は現実の世界に翻弄されていく。
©2001 TWENTIETH CENTURY FOX
内容はもちろん面白いし、バズラーマン監督の世界観も最高なので、
それだけでもいいのに、
キャスト全員が本当に本当にすごい。
ちゃんとね、
生きてるの、
誰がどう思ってどう生きようとしているかが、
全員に見えるの。
だから誰かの視点では、
悪い人だけど、違う人からはいい人で...。
本当は誰も悪くないのに、
しかしどうしても悪くなってしまう人が出てきて。
それがなんとも、
絶妙なのよなぁ。
その中でも、
この作品でいうと公爵が悪役で、
そのキャラクターが本当に活きてて、
(まぁ、よく考えれば公爵だけが悪いわけではないんだけど、この作品的には“悪役”になるのよね)
情けないような性格と、すぐにのせられる可愛らしさがあるのに、
そこに突然の男らしい怖さ、上流階級の威厳、
が出てくると、そのギャップが本当に怖い。
公爵のシーンで泣くほど笑うのに、
引くほどドキドキさせられるなんて、なんなんだ本当すご過ぎるだろう。
©2001 TWENTIETH CENTURY FOX
主役のユアン・マクレガーとニコール・キッドマンは、
もちろん!もちろんすぎるほどいいのですけど、そこにあの歌声は、
もうね、感動するよ...。
歌が上手いのはもちろん、
役として、そしてセリフのように歌うから、
歌も曲も血液のように全身に流れ込んでくる。
そしてお二人の表情が美しくて、
2人が幸せであればあるほど最後に効いてくるので、
とにかく前半は幸せな気持ちをたくさん感じながら観てほしい。
こんなにぞわぞわ美しいマネしたくてもできない世界の映画は、
そうそうないと思う。
元々、私はなんでか観るのを躊躇ってたんだけど、
今はもう好きすぎて、
(毎回だけど)書きたいこと多すぎて、
ひゃああああってなって効果音だらけになっちゃったのですがね。
でもね!観たらきっと、
私の言いたいことがわかるはず!
みんなはどんな効果音表現になっちゃうかしら。笑
気になります。