片山萌美「ぶっちゃけもう観たくない、でも観て良かった映画」

片山萌美


長い映画人生、自分的に面白い映画もあれば、いろんな意味でもう観たくないなと思ってしまう映画に出会うこともありますよね。
今日はそんな私的トラウマ映画をご紹介!

まずは、数字を数えられないと殺されちゃうよ。
ダークファンタジーの金字塔、
『パンズ・ラビリンス』

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【あらすじ】
恐怖の政治が国を覆っていたスペインの暗黒時代に、少女オフェリアは生を受けた。優しかった父が死に、身重の母親と二人で直面する現実は目を覆うようなことばかり。新しい父親はまさに独裁のシンボルのような恐ろしい大尉。生まれてくる自分の息子にしか興味を示さず、オフェリアの生きる世界は閉ざされていた。そんなとき、彼女が見つけたのはうす暗い森の中の秘密の入り口。妖精の化身である虫たちに導かれて、迷宮の世界への冒険が始まる…。

ファンタジーって付いてるから、もう少し穏やかなストーリーかと思いきや、私的には“ダーク”が強すぎた映画。

お城とかにある長テーブルのお皿に乗った目ん玉を手につけてこっち見てくるモンスターとかも怖いし(説明書いてて意味不明だけど笑)、
主人公の女の子が妊娠してるママのためにベッドの下に変なもの仕込むんだけど、それもなんか気持ち悪いししかもそれ、パパにバレて捨てられちゃうし。
なんかもう、やることなす事うまくいかないのだが...

この映画、
正直、人間(パパ)が一番こわい。
主人公のパパ?にあたるヤバい人がいるんだけど、こいつの人間と思えない行い(拷問系)が本当に胸糞悪くて、観てるのがしんどかった。
(数字が数えられないだけで殺されるというシーンがあるんだけど、もうキツすぎて泣いた)

最後はhappyなのかな?くらいな終わり方。
本当はもう一度観て、ちゃんと戦争のこととか、彼女が見たファンタジーな世界観を理解したいのだが、途中がしんどすぎて。

でもダークファンタジーが好きな人は好きよね。
私の高校の頃の友だちも好きだって言ってたもの。

もう一つ紹介するね、
『ライフ・イズ・ビューティフル』

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【あらすじ】
愛嬌たっぷりだがドジばかりしているウェイター、グイドには多彩な想像力と人を引き付けるユーモアのセンスがあった。そんな天性の才能でグイドは愛する女性の心を射止め、できたてほやほやの家族のために美しき人生を作ってきた。だが、そんな人生が第二次世界大戦によって脅かされる。グイドはその天賦の才を使って、愛する妻と息子を想像もできない過酷な運命から救わねばならない!

この映画はもう、有名すぎてあれですけど。
めちゃくちゃいい映画なの。
最初、求愛する可愛いシーンを入れて幸せな家族を見せてから、戦争の悲惨さを見せつけるの。
子どものために、ずっと嘘をつき続けるパパの姿がもう、永遠に泣ける。
自分も辛いはずなのにね。
子どもへの愛、家族の愛をずっと魅せてくれる。
映画の途中くらいで、涙枯れるくらい泣いて、水分補給するとその分、全部涙になるくらい泣いた。

戦争、そして差別的虐殺に対するものすごく美しい抗議映画だと思う。
ただもう本当にボロボロに泣くのでもう一度観るのには覚悟がいるのよね。
でも、人生で一度は観てほしい映画。

もう一つくらいいっちゃうか?
『セッション』

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【あらすじ】
名門音楽大学に入学したニーマンはフレッチャーのバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になるという野心は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない〈完璧〉を求める狂気のレッスンだった。

これはね、もうね、最高の映画。
観てる途中、先生のパワハラ(指導と言った方がいいのか)が凄まじくて、
ストレスで吐きそうになったけど、
最後の、ピンッと張り詰めた緊張感の演奏に、全て持っていかれた。
自分の心臓の音さえうるさいと思うほど。

ただ、途中のストレスが半端ない。
正直、もう一回観たいと思って、観ようと思うのだけども、
どうしても怖くて観られない。
あの最後を全身で感じたいから、
めちゃくちゃ集中して観たいの。
でもあのストレスを味わうのが怖くて、
まだもう一度観れていないのさ。

というわけで、ぶっちゃけもう観たくない、でも観て良かった映画を3つ紹介しました。
みなさんはそんなトラウマな映画ってありますか?
気になります(ニヤリ

片山萌美 女優

第44回「ミス日本ネイチャー」。グラビアで注目され、現在はTVドラマや舞台、映画と幅広く活躍中。

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