片山萌美「全部の要素が入っているスカッと晴れる映画」ー 『きっと、うまくいく』

片山萌美

全部揃った映画を観たいと思ったら
もうこれだよね

『きっと、うまくいく』

インド映画なんですがね
なにせ3時間近くあるだけあって
友情、恋愛、笑い、歌、
ダンス、悲劇、ミステリー、成長などなど
もう全ての要素を揃えている
以前に紹介した『チキ・チキ・バン・バン』に続き、インターミッションという言葉が出てくる長編である)

気になるんだけど
この映画以上にいろいろな要素がつまってる映画ってある?
ないものといえば
ホラー要素くらいかな。笑

©Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009. All rights reserved

『きっと、うまくいく』あらすじ
インドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。エンジニアを目指す天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械より動物好きなファルハーン、なんでも神頼みの苦学生ラージューの“三バカトリオ"が、鬼学長を激怒させ、珍騒動を巻き起こす。 抱腹絶倒の学園コメディに見せつつ、行方不明のランチョーを探すミステリー仕立ての“10年後"が同時進行。根底に流れるのは学歴競争。加熱するインドの教育問題に一石を投じ、真に“今を生きる"ことを問いかける万国普遍のストーリー。

私的にはインド映画といえば
数々の賞を受賞した
『スラムドッグ$ミリオネア』
だったの。

正直、『スラムドッグ$ミリオネアって
少し暗くて「うううううっ」てなっちゃったから、
『きっと、うまくいく』も
ちょっと観るの怖かったんだけど
全くの杞憂に終わったよ!!

©Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009. All rights reserved

すごく楽しく観れたの!

“三バカトリオ”の1人、
ランチョーがとにかく奇想天外で
最初はこの子やばいな(悪い意味で)
って思うくらいの行動をするんだけど
ストーリーが進むにつれて
友人への接し方や考え方が見えてきて、
学ぶことを楽しむところもあって。
奇想天外なのは変わらないのに
知れば知るほどランチョーを好きになっていく。

やっぱり、信念があり自分を持っていたり、
それでいて自由奔放だったりする人って素敵に見えるよね!
変なやつだけど。笑

親友のファルハーンとラージューはランチョーに比べたら普通の学生で
ファルハーンはカメラマンの夢を追いたいけど親が敷いたレールを進むしかなく、
ラージューは家が貧しく、臆病で、怖くてやりたいことができないでいる。

正直、私はラージューの怖くて行動できないって気持ちがわかるから
ラージューが教授に精神的に追い込まれるシーンは本当に胸が苦しくなるし
彼を追い詰める教授を殴りたくなる…。

そんな彼らがランチョーに感化され、強く心豊かな大人になっていく
そしてファルハーンとラージューと過ごすランチョーもまた成長していく
でもみんな成長しようとしてるんじゃなくて
お互いに影響されて成長しちゃう感じがまたいいんだよなぁ。

不思議なんだけど
3人とも怒られてもしょうがないことをして
どうしようもないなって思うんだけど
でも憎めない3人なんよね。
(お酒でベロベロになって授業にでたり、知らない結婚式に忍び込んで料理食べちゃったり、他にもたくさん。笑)

©Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009. All rights reserved

なんでかなって考えてたんだけど〜、
彼らのことを
素敵な性格だと知ってるからかなって。

行動だけ見ると悪い子たちだけど
“その人を知る”
って、現実でも大切だね。

人生を楽しむ
友を、愛する人を、大切にする
そんな単純で
それを愉快に魅せてくれる映画はいい。

最近、本当によく思うんだけど
映画から何かを学ばなくったっていいのよ!
楽しいな、面白いな
とか単純に映画を楽しんでもらえたらいいな。

最後は青い空に青い海で
スカッと爽やかに晴れるストーリーなので
じめっとしたこの日々から
暑い夏にかけてとてもオススメ!

片山萌美 女優

第44回「ミス日本ネイチャー」。グラビアで注目され、現在はTVドラマや舞台、映画と幅広く活躍中。

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