映画『さがす』清水尋也インタビュー!決断の局面を目の当たりにしたとき、きっと感じるものがある

DOKUSOマガジン編集部

大切なものを手放してでも正義を貫けるか、自分のために正義を捨てるのか、決断の局面を目の当たりにしたとき、きっと感じるものがあるはずです。

『岬の兄妹』で映画界に衝撃を与えた片山慎三監督の最新作『さがす』で連続殺人犯を演じた清水尋也。「台本を捲る手が止まらなかった」と語るほど、撮影前から強い思い入れのあった本作にどう挑んだのか?片山慎三監督の妥協なき現場エピソードと合わせてお聞きした。

―本作では猟奇的な連続殺人犯と、介護施設で働く好青年の二面性を持った男・山内を演じられていますが、二つを混在させるために意識されたことは何でしょうか?

「山内本人としては、そこに隔たりをつくっていないと思います。彼の凶暴性や性癖は衝動的に出てくるもので、意識して抑えよう隠そうとしていない、と演じながら感じました。
でも見え方としては二面性はあった方がいい、画に写ったときのギャップを出したいと思っていたので、殺人鬼としての本性が出る顔、善人を装っている顔など見た目の違いが出るように意識しました」

―片山慎三監督とは山内を作り上げるまでにどのようなやりとりがあったのでしょうか?

「片山監督と細かく作った部分は“目つき”ですね。例えば山内がこれから誰かを殺めようとするときの、獲物を見据えるような目つき。彼の猟奇的かつ性癖的な部分が現れ、ある種トリップしているような瞬間、またはその逆の目つきについて話し合いました。
はじめは僕が演じながら山内の表情をつくっていき、それに監督が気づかれて使い分けていくようになりましたね。“このシーンはあの目でいきましょう”、“このタイミングで少しずつあっちの目に移って…”というお話を現場でするようになって。自分でも気を使っていましたし、監督もそれを重視してくださり嬉しかったです」

―主演の佐藤二朗さんが“食べながらの芝居が上手い役者は、本当に芝居が上手い”と、清水さんを絶賛されておりましたが、食べながらのお芝居の際、どのようなことに気をつけておられるのでしょうか?

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©2022「さがす」製作委員会

『さがす』
監督・脚本 / 片山慎三
出演 / 佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也、森田望智
配給:アスミック・エース
1月21日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
©2022『さがす』製作委員会

『さがす』あらすじ
大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、智は煙のように姿を消す。
ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。
失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった――。

※清水尋也さんのインタビューを含む、ミニシアター限定のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」1月号についてはこちら。
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撮影 / 角戸菜摘
スタイリスト / 八木啓紀(Hironori Yagi)
ヘアメイク / 伊藤聡(Satoshi Ito)
文 / 永井勇成

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