【鳴海唯インタビュー】監督の期待に応えたい一心で臨んだ『偽りのないhappy end』 2021.12.7
DOKUSOマガジンが注目する俳優をご紹介する本企画。第3回に登場するのは、2019年、NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』において主人公の妹・明美役でドラマデビューを果たした鳴海唯さん。12月14日に公開される映画『偽りのないhappy end』で初の主演を務める鳴海さんに、出演が決まった経緯、役作り、作品の見どころについてお聞きしました。
鳴海唯
なるみゆい|俳優
1998年5月16日生まれ。兵庫県出身。2018年、雑誌『Hanako』の表紙モデルなどを務め、2019年にNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』でドラマデビューし注目を集める。CMでは、TEPCO、アイン薬局、ワコールスポーツブラ、人材派遣のレバテックなどに起用され、着実に活躍の場を広げつつある。
―映画『偽りのないhappy end』は鳴海さん演じる主人公のエイミが、行方知れずになった妹のユウを探すうちに自分と似た境遇のヒヨリと出会い、真実を追い求めていくミステリーですよね。鳴海さんにとって初の主演映画となる今作ですが、出演の経緯を教えてください。
「実は後からお聞きしたのですが、松尾大輔監督は今まで一緒に仕事をしたことがない、お芝居経験の浅い俳優をキャスティングしたかったみたいです。その条件に当てはまる人を探している中で私の過去の出演作を見てくださって、オファーをいただきました。
とても光栄で嬉しい反面、今まで明るく元気な妹キャラを演じることが多く、エイミのような暗い雰囲気の役を演じた経験がなかったから、『私に務まるだろうか……?』と不安になりました。でも、次第に挑戦したい気持ちのほうが強くなり、松尾監督の期待に全力で応えたい一心で臨みました」
―経験したことがない役を演じるうえで、役作りも苦労されたのでは?
「エイミは私と全然違う性格ですし、映画の中で起こるような経験もしたことがない。想像でしか演じることができないので、たくさんの作品にふれて俳優さんのお芝居を参考にしつつ、自分の想像力を豊かにしていきました。
撮影に入る前、松尾監督が何度も本読みやリハーサルを開いてくれたんです。そこで監督や共演者の方とコミュニケーションを取るうちに、エイミを演じることへの悩みが少しずつ解消されて、変に緊張することなく撮影に入ることができました」
―エイミは作品の中で様々な葛藤を抱え、自問自答していきます。特にラストシーンは演じるのが難しかったのでは?
「松尾監督ができるだけ順撮りにしてくれたので、徐々に気持ちを作ることができました。ただ、予定していた撮影の最終日に台風が来ちゃって…。それでラストシーンだけ撮影が1か月延びてしまいました(笑)
ラストシーンはエイミの感情がぐちゃぐちゃになり、壊れていきます。気持ちを作るのは大変でしたけど、一緒に演じる皆さんと話し合ってから当日を迎えたので、なんとか撮影を終えることができました」
―鳴海さんが考える今作に見どころは?
「観る人によって、全然感想が違う作品になっていると思います。私が演じたエイミに感情移入する人もいれば、他の登場人物に共感する人もいるでしょうし、誰の考えも理解できない人もいるかもしれません。でも、それが『偽りのないhappy end』のいいところなんです。
誰に感情移入してもいいし、無理に自分を重ねる必要もない。そんな体験を劇場でしていただけたら嬉しいです」
©2020 daisuke matsuo
『偽りのないhappy end』
監督・脚本 / 松尾大輔
出演 / 鳴海唯、仲万美
公開 / 12月17日(金)よりアップリンク吉祥寺 他
配給・宣伝:アルミ―ド
撮影・文 / 大川竜弥
※鳴海唯さんのインタビューを含む、ミニシアター限定のフリーマガジン「DOKUSOマガジン」12月号についてはこちら。
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